京都ちーびず
ちーびず推進員が京都府内のちーびず(地域力ビジネス)を体験・体感して報告します!

父のルーツ京丹後峰山を音楽の町に。カフェ・アンゼリカ。

ちーびず応援カフェ(京都府主催)とは
応援カフェは、継続的な地域づくり(京都ちーびず=地域力ビジネス)を目指すみなさんが、交流しながら、ブラッシュアップや新しく楽しいコラボをつくり出す場です。
この記事に登場するちーびずさん
田中千穂さん(NPO法人ハーブとスローフードのまちづくり 、NPO法人音楽のまちづくり)
田中千穂さん(NPO法人ハーブとスローフードのまちづくり 、NPO法人音楽のまちづくり)ハーブによる、心と体の健康のまちづくり・食育などを推進。また、丹後の音楽文化の推進にも取り組まれている。

いくら高速道路で近くなっても、情報化社会で都会の情報が手に入るようになっても、地方の人たちが素晴らしいクラシックの生演奏を聴く機会はそうは多くないです。

ところが、ここカフェ・アンゼリカさんは頻繁にプロの演奏家が訪れ、演奏会が開催されているのです。一見すると路地奥の普通の民家。

なぜここで?

そんな謎めいたアンゼリカに田中千穂さんを訪れました。

著名なバイオリン作者だった父の背中

田中千穂さんの物語を語るときに、お父様の話は外せません。

田中さんのお父様は田中博さんといい、バイオリンの製作に一生を捧げた方でした。

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実は峰山町にはバイオリン工場が立ち並んだ時期があり、田中さんの父親である博さんは峰山で楽器製作のノウハウを身につけました。この時期の峰山はまさに音楽のまち。

音楽人口が急激に増え、一時宮津の楽器店では対応しきれないほどの受注量があったそうです。当時購入した楽器を、いまだに家の箪笥や蔵に保管している方も多いのだとか。「奥丹の特殊産業」と言われた峰山の楽器製作業界は世界に名を馳せた弦楽器製作者を排出しました。博さんもその一人だったのです。

音楽に彩られた幼少期

京都・東京と移り住み、次第に世界的名工として名を馳せるようになった父博さんを、世界中のクラシック界の名演奏家が自宅まで訪ねて来る。田中さんの幼少期の記憶は音楽に彩られたものでした。

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「世界的な演奏家がコンサートとかで来日するでしょ。そうするとね、必ずうちにきて、父に調整をお願いするんですよ。調整したら試し弾きをするでしょ?皆んな世界的な演奏家が生で演奏していくんです。それがしょっちゅうあるんですよ。今思うとね、音が空気みたいなものだった。」

丹後を再び音楽のまちに。

田中さんの活動の原点はここにあります。その頃感じた音楽のある時間の豊かさ、本物の楽器が奏でる音の魅力は強烈に田中さんの人生を方向づけてしまったのです。お父様が亡くなり、お父様の故郷峰山に居を構えた田中さんは、再び丹後峰山を音楽の町にするべく活動を始めます。

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目的は、丹後の音楽の歴史に再度光を当て、素晴らしい音楽に子供達が触れる機会を作ること、そしてそれに触れた地域の人達同士の交流促進を図ること。「やっぱり子供の頃から良質な生の音楽に触れることはその後の人生を豊かにすると思います。」

NPO法人音楽のまちづくりの設立。2006年のことでした。

「『クラシック』って言うとね、敷居が高いでしょ?でも子供達に生の良い音楽を聴いてほしい。どうしたら良いかと考えた結果思いついたのが図書館での読み聞かせに音楽をつけることでした」と当初を振り返る田中さん。でも、最初はどこの図書館でも音が出るのは良くない、という理由で断られたそうです。

ところが一度峰山の図書館で受け入れられると丹後中に広がり、最近では「音楽のまち」が行かなくてもボランティアや地元の方が自主的に音楽付き読み聞かせをする、そんな風に音楽のある風景が定着していっているようです。

 

医食同源、それに気づいたのも父の影響

2006年、音楽の活動と同時に立ち上げた、田中さんのもう一つの顔が「NPO 法人ハーブとスローフードのまちづくり」。こちらも実はお父親と暮らした日々が影響しています。食と健康は切っても切れないもので、医食同源という言葉の通りだということに気づいたのは、12年間寝たきりだったお父親の看病生活の際だったと言います。

「父は病人とはいえ、訪れる方も多く、自宅で看病を続けた」と語る田中さん。

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当時、食事は1日30食品というのが厚生労働省が推奨されていましたが、たまたまお父様を病院に連れて行った際、病院食はそのガイダンスにきっちり沿い、作られていることに気づいたのです。

それ以来、自宅で看病を続けるなら、と、野菜を中心として、しっかりバランスを取れた食事をお父様に出すことを決めた田中さん。「独学ですからね。最初はぐちゃぐちゃでしたよ。」と言うのですが、愚直なまでに食事の用意を続けたことで、お父様の病状も日に日に安定。そうやって介護を続けるうち、食と健康について強く意識するようになったそうです。

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自宅を食の提供ができるスペース、アンゼリカとして生まれ変わらせた田中さんは、経験を生かして、体が喜ぶ、優しいメニューを提供しています。アンゼリカで提供するのは野菜を中心として一汁三菜と言う考え方に当てはめることができるメニュー。

「全ては食べ合わせですから」と語る田中さん。驚くほどの量の野菜を使ったスープをいただきましたが、これが優しい味で美味しい。「野菜嫌いの子供も喜んで食べてもらう」という言葉にも納得です。手作りピザもいただきましたが、こちらも有機栽培の野菜をトッピングに使うなど田中さんならではのこだわりが詰まっていてオススメです。

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二つの活動を両輪で。

アンゼリカには人が最大数入っても20人。その20人を相手に月一回プロの演奏家が演奏する音楽会を開催しているそうです。そして終了後に食育カフェを開催する、そんな心と体に良い贅沢な1日がここアンゼリカでは体験できます。二つの活動を両輪に、地域を豊かに彩っていくような田中さんの活動は続きます。

「職人肌で、責任感が強く、厳しく、本当にいいものを知っている人だった」。大きな影響を受けたお父様について語る田中さん。

本当にいいものは心の琴線に触れる。音楽でも絵でも食でも人でも同じ。田中さんの周りに流れる大らかな空気に触れると、それがいかに人生を豊かにするものなのか、少しだけわかる気がするのです。

 

ちーびず応援カフェで音楽と読み聞かせとスローフード

12月、アンゼリカでちーびず応援カフェを開催。実は上記の活動歴は長いのですが、ぜひ「ビジネス的手法で継続運営を」とのことで、今年度、営業許可を取得し「カフェ・アンゼリカ」が誕生。ということもあり、看板が玄関先にしかなくて初めての参加者はたいがい探してました。知ってしまうと隠れ家的な癒やし空間のファンになるのですが、ビジネス手法にはやっぱアクセス看板は必要やねぇ・・参加者全員の意見です。

エレクトーンの演奏で参加者の元保母さんに読み聞かせを実演もあり、 DSC_2670

音楽がプラスされることで、わくわくとした楽しいムードが盛り上がります。

試食のスローフードのピザやケーキも、年配の方から小さなお子様まで喜んで食べていただけそうでした。

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京丹後市の中でもまちなかに位置するアンゼリカは、丹後エリアのちーびず発信やコラボの拠点として大いに活用させて欲しいという意見がたくさん出されていました。外国人の演奏家の方もよく来られるそうですし、おっとりゆっくりお話しされる田中さんの人を寄せる雰囲気で、きっと京丹後の交流拠点になると思います。

地域の子供たちからもたくさんの感謝状が届いていました。

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ちーびず推進員メモ

仲井玲子
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舞鶴にぎやかし隊、赤れんが・明治・大正ろまんドレスちーたび、コミュニティFMまいづる立ち上げなど、舞鶴を中心に交流事業の企画実施や、広報力を活かした活動を行っています。参加して楽しい様々なコラボ婚活も企画します!イベント企画や司会もお任せください!
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